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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
「お前は嘘がつけないようだな」
じっと顔を見られて、少し頬が熱くなった
ように感じている
(顔に出てしまっているのだろうか…)
すると、ヒアシンスの香りが漂い始め
メアの鼻をくすぐる
「そういえば、アイリス
お前はどんな妖精なんだ?妖精には
種類があると聞いたが…」
「ええと…種類は人が考えたもの
だと思うのでわかりませんが…」
そこで一旦区切り言って良いものか
悩むが、メアに先を促され
仕方なく口にする
「全ての妖精の…王、です」
言うとメアが少し眉を上げるのが映る
「…ふむ」
少しの沈黙の後、メアが再び口を開く
「それで、お前はどうするんだ?
棲んでいたところに帰るのか」