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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
「あの、メア様…あの森を、どうか
そのままにしては頂けないでしょうか…」
メアが思案していると、アイリスが不安そうに
小首を傾げる
それに愛おしさを覚えたが、すぐに
あいつに似ているからだと決めつけて
返事をする
「ふむ、そうだな…お前のベッドでの働きに
期待するとしよう」
そう言うと、目の前の妖精は顔をより
赤くして困惑している
ヒアシンスの香りもいささか強くなった
気がした
『あの森に手を加える気はないがな…』
昼食を食べ終わったメアはまだ
食べているアイリスをゆっくりと
眺めている
アイリスがやっと食べ終わった頃には
香りはすっかり収まり、満足げに
微笑むとメアも目を細めて
見つめ返したのだった