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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
「…昔は、人だった
いや、今も一応は人だが…人ではないと
言われてもおかしくはないからな」
淡々と話す表情にはそれが当たり前で
あるかのような様子が見て取れる
「昔…でも、メア様は人なのでは?」
「それはどうだか。そもそも…
1018年生きている者を人と呼べるのか?」
アイリスは一瞬思考が停止し、次の瞬間
それを理解して混乱する
「1018…?!」
人の寿命は100までが限界だと思っていた
そうアイリスは思うが、その知識は
間違っていない
目の前の人は、人より随分と長く
長く生き過ぎている[人間]なのだと考えた
「…知りたいか、俺がなぜこんなに
生きているのか」
問われ、アイリスは困惑しながら
小さく頷く