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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
「1000と10年前、だったか…まだ、この国が
リヴィナでもなく、この大陸が小国の集まりで
人が争いあっていた頃だ」
少し眼を細め、遠くを見るようにして
メアは静かに語り始めた
「俺が8の時、だ 天壊種や他国との戦いを
していた頃…研究者どもは天壊種の、特異な
性質に目を付けた」
天壊種は同種を喰らい成長する性質が
ある、それはアイリスも教えられた
ことだった
「そして、その性質を利用出来ないかと
更に追求し…天壊種の細胞は人を喰わない
という理論に辿り着いた」
ふ、と視線を落としメアは自身の手を
見やる
その言葉の先を考えないようにしていたが
アイリスはわかっていた
「…つまり 人にその細胞を埋め込み
天壊種を喰らう兵器を作ろうとした…
…俺はその実験の、ただ一人の成功例だ」