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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
「…俺の身体は、怪我を負う度に
天壊種である部分がそれを治癒する
まだ僅かに人の部分も残っているが…ッ」
「メア様!?」
突如、小刀を掴んだメアがアイリスの
目の前で自らの腕を斬りつけた
アイリスはすぐに立ち上がるとメアの
傍に駆け寄り、ボタボタと血が流れる
腕に手を添える
「なぜこのような…!」
傷口を塞ごうと力を込めると、辺りに
光が漂い始める
しかし、癒しの魔法を使う間もなく
既にジュウジュウと音を立てて
傷口は塞がり始めていた
「…言った筈だ、すぐに治癒する、と」
なんの感情も抱いてない目で
メアは腕を動かす
その様子を見たアイリスは怒りがふつと
湧き上がるのを感じた