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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
「顔を…上げてください、ファルコさん」
ゆっくりと姿勢を元に戻し、こちらを
見つめてくる主想いの老執事に
アイリスは返事をする
「アルマ様、がどなたかも私は
存じ上げません メア様が私に話されない
限り、知り得ることもないでしょう」
その言葉は、メアがアイリスを
信じて話すのを待つということを意味していた
「ですが…あの方が私を手元に置いて
くださる間は、メア様の力となりましょう
…森も、今はメア様の下にありますし」
そう言うと、ファルコはまたにこりと
微笑む
「有り難う御座います、アイリス様
なに、メア様が貴女様を手放そうとしたら
私めが説得してやりますよ」
それはファルコが危ないのではないのか
と不安そうに眉を寄せると、ファルコが
慌てて付け足す
「おっと…心配させてしまいましたかな
実は、あの方の武術は今は私めが鍛錬の
お相手とさせていただいておりまして
私からしたらまだまだ…ということなのですよ」