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妖精王は軍人に奪われる
第4章 不完全な存在
メアはそのままなにかを手に取ると
アイリスの顎を持ち、口に押し入れた
「むむぅっ!」
口の中に甘い味が広がって驚きもそのままに
もぐもぐと咀嚼する
「カステラだ 鍛練の間お前をほうって
置くわけにもいかん、そこのテラスで
カステラを食べていろ」
テラスならこちらも様子が見えるからな、と
心の中で呟いて咀嚼している
アイリスを撫でる
と、ふともう一つ手にとって口に
入れる様子にアイリスは、メアも
食べたかったのだろうと解釈していたが
「んぅ…!」
カステラを口に含むなり素早く唇を重ね
ぐちゅぐちゅと下を動かして押し込んでくる
(甘い…痺れてしまう)
「…やはり甘いな」
キスを終えると舌なめずりをし、口の
周りを拭き取ると メアは鍛練の支度を
始めた
「運動の前のつまみは甘くなくてはな
では、良い子でテラスにいるんだぞ」
唇の熱も冷め切らぬままアイリスは
頷いて、少量の菓子を持って
テラスに出た