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妖精王は軍人に奪われる
第1章 残酷な運命
音がやみ、森が再び静まり返った頃
アイリスは男の方を向いた
「消火、終わりました」
「おおそうか!かなり濡れてしまったが
致し方あるまい、儂の商品も無事だったから
よしとしよう」
張られた天幕の中を調べていた男は
アイリスを舐めるように見つめ、
羽に目を留めると次の瞬間にやっと
笑いながら言う
「いや、すまなかった 随分と冷えただろう、
お前も焚き火に当たるがよい」
アイリスが少し怪訝そうに顔を歪めると
慌てて言葉を付け加えた
「薪は奥にある、火事にはしないようにしよう」
「それなら…あたらせて頂きます」
先程ので地面もだいぶぬかるんだし
大丈夫だろう、とアイリスは
好意に甘えることにした