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妖精王は軍人に奪われる
第5章 淫靡な一時
「あ……」
嬉しさと先程の会話のことで頭がいっぱいに
なり、衝動的に目をそらす
「……?」
メアは怪訝そうに片眉を上げると、そのまま
アイリスを室内へと迎える
居づらそうにあちこちへと目を走らせる
アイリスをじっと見つめ、しばし
訝しみながらもそのまま隣に座る
(今は……傍にいられると落ち着かない…)
色々なことを脳裏にて巡らせながら自問する
(今は?……いつもは、落ち着いていた
とでもいうの…?)
す、と視線を落として目の端でメアの
膝を見やる
(過去のこと…メア様の、想い人とのこと
私に似た、別の人…)
ずきりと胸が痛み、ちらりと横目で
表情を伺う
「……どうした、随分と浮かない顔をしている」
ぱちりと合った視線から心の奥底を覗き
見られている感覚に陥り、より複雑に
心が絡まり、その痛みに顔を歪める