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はじめの一歩
第5章 Piece of memory ー記憶の欠片ー
「…この家に、1人って…寂しくないの…?」

私なんて、両親が揃って出掛けて、家に1人になるのだって寂しく感じるのに…器が大きい分、音も反響するし、家中電気を点けるわけにも、と灯りを消した部分が。家族が居たら何とも思わないのに、1人だとやけに暗く感じて。まるでそこから闇が広がって飲み込まれるんじゃないか、なんて、バカなこと考えちゃったり、する…

「もう、慣れた。」

幸村くんは軽く笑った。

「ねぇ、瞳さん。俺腹減った。ご飯作ってよ。何か手伝うコトある?」

幸村くんの言葉に、ハッと我に返って。そうだね、と笑って私は夕飯の支度をした。

お米を研いで炊くのは幸村くんに任せて。
私はリクエストのハンバーグを作る。
付け合わせは野菜炒め。それにお味噌汁。
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