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はじめの一歩
第5章 Piece of memory ー記憶の欠片ー
お湯が溜まった合図のメロディが鳴り、私はお風呂を頂く。

髪を乾かして、リビングに戻ると、幸村くんがお茶を淹れてくれていて。
俺も入って来る、と入れ替わりでお風呂に行ってしまう。
1人残され、ソファに座ってTVを点けたけど、内容は頭に入ってこなくて。結局携帯を弄って待った。

暫くして、幸村くんがお風呂から出てきた。
黒いスウェットの上下で、髪を拭きながらソファに隣り合って座る。

「…瞳さん…」

片膝をソファにあげて横を向き。
私をそっと抱き締めた。

ちゅ。

遠慮がちなキスの後、私の後頭部をしっかりと抱えて、キスが深くなってきて。
何度も角度を変えながら、幸村くんの舌が、私の舌を捕らえて。

ふぅ。

と唇が離れて、見つめ合う。
目を合わせるのが、少し照れくさくて。
チラ、と、視線を下げたら、幸村くんのスウェットが、テントを張ったように持ち上がってるのが分かった。

私の視線に気付いた幸村くんは、拗ねるように唇を尖らせて。

「恥ずかしいから…あんま見ないで…」

私は頷き。
2人で2階の寝室に向かう。
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