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はじめの一歩
第6章 Piece of memory Ⅱ ー記憶の欠片 ー
俺の目の前…というか、正確には目線の下に、そのコの、頭があった。
よく見かける、私立の女子校の制服。
ぼんやりと見下ろすその肩口が、びくりと震えた。
俯き加減の顔が、少し上がり、目線が背後を伺う。
眉間に皺がより、訝しむような目。
ぎゅっ、と唇を噛みしめる。
最初は、難しい顔してるな、どっか痛いのかな?としか思わなかった。
暫くして、もしかして、痴漢に遭ってるのか?と思い至る。
だけど、だからって、俺に何が出来るわけでもなかった。
俺は両手を挙げてるし。俺じゃないよ?
ま、俺の目の前に居て、後ろを気にしてるから俺のこと疑ってるってことはないだろうけど。
朝から、しかもこれから会社に行こうって時に面倒ごとはゴメンだ。
俺だけじゃない。誰だってそうだろう?
降りるべき停留所が近づき、俺は降車ボタンを押す。人をかき分けるようにして、目の前のそのコを押しのけるように前に進んだ。
コレで、人の立ち位置が変わって、逃げられるといいね、と、チラッと思っただけで、そのコのことはすぐに忘れた。
よく見かける、私立の女子校の制服。
ぼんやりと見下ろすその肩口が、びくりと震えた。
俯き加減の顔が、少し上がり、目線が背後を伺う。
眉間に皺がより、訝しむような目。
ぎゅっ、と唇を噛みしめる。
最初は、難しい顔してるな、どっか痛いのかな?としか思わなかった。
暫くして、もしかして、痴漢に遭ってるのか?と思い至る。
だけど、だからって、俺に何が出来るわけでもなかった。
俺は両手を挙げてるし。俺じゃないよ?
ま、俺の目の前に居て、後ろを気にしてるから俺のこと疑ってるってことはないだろうけど。
朝から、しかもこれから会社に行こうって時に面倒ごとはゴメンだ。
俺だけじゃない。誰だってそうだろう?
降りるべき停留所が近づき、俺は降車ボタンを押す。人をかき分けるようにして、目の前のそのコを押しのけるように前に進んだ。
コレで、人の立ち位置が変わって、逃げられるといいね、と、チラッと思っただけで、そのコのことはすぐに忘れた。