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はじめの一歩
第6章 Piece of memory Ⅱ ー記憶の欠片 ー
助けたはずが、こんな風に慰められるなんて、なんて情けないんだろう…
俺は鞄から汗拭き用のミニタオルを出してゴシゴシと顔を拭いた。
「…なんか、ゴメンね。逆に気遣わせちゃって…ありがとう。」
吉田さんからコーヒーを受け取って、一口飲んだ。思ったより喉が渇いていたみたいで。
コーヒーがすごく美味しく感じた。
「あの、連絡先…」
吉田さんは携帯を握り締めていた。
「お礼とか、別にしてもらうつもりないから。これでチャラにしよう?」
俺は、コーヒーの缶を目の高さまで持ち上げる。
「そんな! それじゃ私が困ります! 助けてくれた恩人の連絡先も聞かずに別れたら、お母さんに怒られちゃう…」
「……そっか。じゃ、取り敢えず、教えるけど。本当に、気にしないで…」
親御さんの手前、と言われたら断るわけにもいかず、連絡先を交換した。
彼女の携帯を聞いたのは、連絡するとしたらこの携帯からする、ということだったから。
知らない番号からかかっても基本スルーの俺は、そこも聞いとかないといけなかった。
その日はそこで別れ、お互い会社と学校に行くことにした。
俺は鞄から汗拭き用のミニタオルを出してゴシゴシと顔を拭いた。
「…なんか、ゴメンね。逆に気遣わせちゃって…ありがとう。」
吉田さんからコーヒーを受け取って、一口飲んだ。思ったより喉が渇いていたみたいで。
コーヒーがすごく美味しく感じた。
「あの、連絡先…」
吉田さんは携帯を握り締めていた。
「お礼とか、別にしてもらうつもりないから。これでチャラにしよう?」
俺は、コーヒーの缶を目の高さまで持ち上げる。
「そんな! それじゃ私が困ります! 助けてくれた恩人の連絡先も聞かずに別れたら、お母さんに怒られちゃう…」
「……そっか。じゃ、取り敢えず、教えるけど。本当に、気にしないで…」
親御さんの手前、と言われたら断るわけにもいかず、連絡先を交換した。
彼女の携帯を聞いたのは、連絡するとしたらこの携帯からする、ということだったから。
知らない番号からかかっても基本スルーの俺は、そこも聞いとかないといけなかった。
その日はそこで別れ、お互い会社と学校に行くことにした。