この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
はじめの一歩
第1章 Butterfly
「じゃ、13日の朝出勤前に寄るよ。8時頃、もう来てる?」
「仕込みは朝6時頃からやってますんで。表は開いてないですけど、裏に回って貰えれば。」
「あ、それから今年も会社用のギフト、50個程お願いしたいんだけど、13日大丈夫?忙しくなるようならクッキーを優先したいんだけど。会社のは他でも用意出来るから」
「いえ、焼き菓子は何日か前から準備しますから、前日だけが特に忙しいって訳でもないんで。ウチで買って貰える方がありがたいです。予算は去年と同じくらいで、内容は任せてもらう感じで大丈夫ですか?」
「うん、それでお願いします。」
「あ、本命の方なんですけど、クッキー、幾つくらい要ります?指輪と、メッセージのと?」
「それしか考えてないんだけど、2個っておかしいかな?」
「なら、…コレも入れて1個プラスなんていかがですか?」
市川くんはレジの下の引き出しから小さな袋を出してきた。
「こないだウチで取り寄せたサンプルの中にあったんですけど、実物は使わないんで、発注はしてないんですけど。」
中には、ピンクの細いリボンにネイビーの転写印刷で、『Will you marry me?』と書かれたものが入っていた。
「仕込みは朝6時頃からやってますんで。表は開いてないですけど、裏に回って貰えれば。」
「あ、それから今年も会社用のギフト、50個程お願いしたいんだけど、13日大丈夫?忙しくなるようならクッキーを優先したいんだけど。会社のは他でも用意出来るから」
「いえ、焼き菓子は何日か前から準備しますから、前日だけが特に忙しいって訳でもないんで。ウチで買って貰える方がありがたいです。予算は去年と同じくらいで、内容は任せてもらう感じで大丈夫ですか?」
「うん、それでお願いします。」
「あ、本命の方なんですけど、クッキー、幾つくらい要ります?指輪と、メッセージのと?」
「それしか考えてないんだけど、2個っておかしいかな?」
「なら、…コレも入れて1個プラスなんていかがですか?」
市川くんはレジの下の引き出しから小さな袋を出してきた。
「こないだウチで取り寄せたサンプルの中にあったんですけど、実物は使わないんで、発注はしてないんですけど。」
中には、ピンクの細いリボンにネイビーの転写印刷で、『Will you marry me?』と書かれたものが入っていた。