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はじめの一歩
第1章 Butterfly
「じゃ、それも使わせて貰おうかな。クッキーに、開ける順番で、文字書いて貰える?1番にそのリボンの。2番目に指輪、3番目にメッセージで。」
「承知しました。成功したら教えて下さいね!」
「成功したらウェディングケーキと引き菓子を発注するよ」
「お?そりゃ売上に関わりますねぇ。じゃ、精一杯キレイに作りますよ!」
「宜しく」
「毎度、ありがとうございます!」
そうして僕は市川くんの店を後にした。
3月に入って、指輪が出来上がってきた。
プラチナ台の、シンプルな立て爪のリング。
自社で手配したものだから、小売店で買うよりは安く上がっているが、それでも材料費、デザイン費、加工費だけで数十万。
小売店で普通にオーダーすれば確実に大台突破だが…
正に人生を賭けた大博打に相応しい賭け駒だな…
と自嘲的に笑い、リングケースをポケットにしまい込んだ。
「承知しました。成功したら教えて下さいね!」
「成功したらウェディングケーキと引き菓子を発注するよ」
「お?そりゃ売上に関わりますねぇ。じゃ、精一杯キレイに作りますよ!」
「宜しく」
「毎度、ありがとうございます!」
そうして僕は市川くんの店を後にした。
3月に入って、指輪が出来上がってきた。
プラチナ台の、シンプルな立て爪のリング。
自社で手配したものだから、小売店で買うよりは安く上がっているが、それでも材料費、デザイン費、加工費だけで数十万。
小売店で普通にオーダーすれば確実に大台突破だが…
正に人生を賭けた大博打に相応しい賭け駒だな…
と自嘲的に笑い、リングケースをポケットにしまい込んだ。