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はじめの一歩
第6章 Piece of memory Ⅱ ー記憶の欠片 ー
はぁ、と深い溜息をついて口を開き掛けた俺に。

「…私を助けてくれた時の深谷さん、すっごくカッコよかった。公園で話した時、私に逆に謝った深谷さんの…優しさに、感動しました。好きになっちゃったんです。…私は、まだ高校生で…子供ですよ!解ってます!だけど、だからって、この気持ちを諦めるなんて無理なんです!」

吉田さんは鼻をすすりながら、ポロポロと涙をこぼす。

…女のコの涙に、勝てる奴が居るなら、その方法を是非とも教えて頂きたい…

「…わかったよ。今特定の相手が居ない俺に、君の気持ちを断る理由は確かにない。だけど、学生のうちは、節度を保ったお付き合いにしないとね。…ご両親も、それは望んでないと思うし。俺と君の年齢差で、社会人と未成年の立場で、一線を超えた付き合いをするのは、互いにリスクがあり過ぎるから。そこは譲れない。この条件が飲めないなら、この話は成立しない。いい?」

吉田さんの顔が、パッと輝き、大きく頷く。

…可愛い、コではあるんだよな…
若さゆえ、なのか、ちょっと手段を選ばないトコがあるけど…

そうして、俺と清美の、プラトニックな交際、がスタートする。
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