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はじめの一歩
第6章 Piece of memory Ⅱ ー記憶の欠片 ー
2年ほどして、その男がその場所を突き止め、追いかけてきたこと。
口論からお母さんを殴り、それが元でお母さんが亡くなったこと。
ショックでお祖母さんも亡くなり、清美ちゃんが学校にいる間に、男も捕まり、やっと得たかに思われた細やかな幸せが終わったこと。
お祖父さんは、そんな事があった家で、清美ちゃんと2人で暮らすより、清美ちゃんを住み慣れた大阪に返した方がいいと判断したこと。
清美ちゃんが田舎に馴染めていなかったことと、傷害で数年で出て来るであろう加害者の男が、逆恨みで清美ちゃんを探した時、田舎よりも人の多い大阪に居た方がいいと判断したのと、年齢的にその頃には自分が清美ちゃんを守れないかもしれない、との配慮があったらしいこと。
そんな諸々の事情で、清美ちゃんは中2で単身大阪に戻り、施設から中学に通い、お母さんの保険金で寮のある私立の女子校に入って今に至る、ということ…

そんな、辛い現実に、中学生の女の子がたった独りで耐えてきたなんて…



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