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はじめの一歩
第6章 Piece of memory Ⅱ ー記憶の欠片 ー
一度離した身体を、再び強く抱き締める。
「…辛かったね…よく、頑張った…さっきは、頼れなんて怒鳴ってごめん…こんな話、今するのも辛かったろ…ありがとう。…高校、卒業したら、すぐ、ってワケには行かないけど…結婚しよう」
「昌幸さん…」
清美ちゃんの目が、熱く潤んで俺を見る。
その目に吸い寄せられるように、深いキスをした。
当面の問題は…来春までに、俺がワンルームから引っ越せるかどうか、だ…流石に6畳ひと間の部屋に2人で住むのは無理があるし、かと言って通勤エリア内で、今より広い部屋を探したり引っ越したりってなると、ちょっと、厳しい…いや、バスを使わない電車通勤で考えるなら、郊外にすれば、そこそこの家賃の部屋がある。ただ、そんな遠い物件をいつ見に行くか、なんだよなぁ…そして何より、両親にどう説明するか、だ…
ちょっと困りながら溜息を隠した俺に、清美ちゃんが嬉しそうに笑う。
「嬉しい…ありがとう。ずっと、自分の立場が不安定で、不安しかなかったけど…その、先の展望があれば、それまでの生活はなんとかなると思います。」
「大丈夫?」
清美ちゃんはコクリと頷いた。
「…辛かったね…よく、頑張った…さっきは、頼れなんて怒鳴ってごめん…こんな話、今するのも辛かったろ…ありがとう。…高校、卒業したら、すぐ、ってワケには行かないけど…結婚しよう」
「昌幸さん…」
清美ちゃんの目が、熱く潤んで俺を見る。
その目に吸い寄せられるように、深いキスをした。
当面の問題は…来春までに、俺がワンルームから引っ越せるかどうか、だ…流石に6畳ひと間の部屋に2人で住むのは無理があるし、かと言って通勤エリア内で、今より広い部屋を探したり引っ越したりってなると、ちょっと、厳しい…いや、バスを使わない電車通勤で考えるなら、郊外にすれば、そこそこの家賃の部屋がある。ただ、そんな遠い物件をいつ見に行くか、なんだよなぁ…そして何より、両親にどう説明するか、だ…
ちょっと困りながら溜息を隠した俺に、清美ちゃんが嬉しそうに笑う。
「嬉しい…ありがとう。ずっと、自分の立場が不安定で、不安しかなかったけど…その、先の展望があれば、それまでの生活はなんとかなると思います。」
「大丈夫?」
清美ちゃんはコクリと頷いた。