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はじめの一歩
第6章 Piece of memory Ⅱ ー記憶の欠片 ー
唇を首筋に滑らせた時、

「…っくっ…ぁっ、はっ、はっ!」

清美ちゃんの身体が硬く緊張し、息が浅く、早くなる。
驚いてガバッと跳ね起き、清美ちゃんを見ると、恐怖に震えた目が、俺を見ていて。

清美ちゃんの息は治らない。

どんどん早く、荒くなって、浴衣の合わせを掻き毟るように自分で握る。目が涙ぐんで、イヤイヤするようにかぶりを振る。

…過呼吸⁉︎

慌てて、お茶を買った時のレジ袋を取り、清美ちゃんの身体を抱き起こして口元に当てた。

「落ち着いて! 大丈夫だから、ゆっくり、この中で息して…」

清美ちゃんが、大きく息をする度に、レジ袋が膨らんだり萎んだりする。

徐々に息が落ち着いてきて、清美ちゃんは涙目のまま、

「ごめんなさい…」

と呟いた。



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