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はじめの一歩
第1章 Butterfly
…突っ返されるのか…
右手に握らされた、指輪の感触に軽い眩暈を覚える。
こんなもの返されても、流用もできなければ自分で捨てるのも忍びない。
いっそ彼女の手で転売でもしてくれた方がありがたい。
購入金額には届かなくとも、素材は良いものを選んだつもりだ。
そう言って再び彼女の手に握らせようとした時、彼女が僕に向けて左手を差し出していた。
一瞬、彼女が言わんといている事が飲み込めなかった。
「…嵌めて下さらないの?こういうものは…男性の手で嵌めて頂きたいのですけど…」
緊張で喉が乾く。
ゴクリと息を飲み込む。
「それは…僕の気持ちを…受け取ってくれる、という解釈で、いいのかな…」
「私の、荷物を含めた人生を、背負って下さる覚悟がおありなら。」
そう言って、彼女は悠然と微笑んだ。
思わず、心のなかでガッツポーズしてしまう。
僕は、美しい蝶の捕獲に成功した。
右手に握らされた、指輪の感触に軽い眩暈を覚える。
こんなもの返されても、流用もできなければ自分で捨てるのも忍びない。
いっそ彼女の手で転売でもしてくれた方がありがたい。
購入金額には届かなくとも、素材は良いものを選んだつもりだ。
そう言って再び彼女の手に握らせようとした時、彼女が僕に向けて左手を差し出していた。
一瞬、彼女が言わんといている事が飲み込めなかった。
「…嵌めて下さらないの?こういうものは…男性の手で嵌めて頂きたいのですけど…」
緊張で喉が乾く。
ゴクリと息を飲み込む。
「それは…僕の気持ちを…受け取ってくれる、という解釈で、いいのかな…」
「私の、荷物を含めた人生を、背負って下さる覚悟がおありなら。」
そう言って、彼女は悠然と微笑んだ。
思わず、心のなかでガッツポーズしてしまう。
僕は、美しい蝶の捕獲に成功した。