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はじめの一歩
第2章 トシシタのオトコのコ
「あぁ。実は今コレでさ」

宮本さんは、お腹のあたりが膨らんだ、ようなジェスチャーをした。それって、つまり、奥さんが妊娠中、ってことなのかな?宮本さんの横の人が、

「なんだ、そうだったのか、めでたいな。何ヶ月だ?」

「4ヶ月。別にめでたかないよ、俺ガキ嫌いだし。エミは子供欲しかったみたいだからそれはまぁいいんだけど、悪阻重くってさ。仕事もいけなくなってこないだ辞めたわ」

「マジで?大丈夫なのか?」

「エミの職場ウチより小さいから、元々産休自体も前例がないとか言っていい顔しなかったらしいけど、それがまだ序盤で有休足りなくなるくらい休んでちゃな。確かに仕事に穴開けて迷惑かけてることは事実だけどさ。さすがに居場所なくなってきたみたい。周りは既婚者も子持ちもいなくて理解者も少ないし、忙しい時期にって嫌味言われたりして、本人も気ィ立ってピリピリしてさ。こっちは少子化に貢献してやってんのにな。まだまだ社会のしくみが追い付いてないんだよ。」

「なかなか大変そうだな。ま、じゃあ昇進して昇給もしたしその点はよかったのか」
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