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はじめの一歩
第2章 トシシタのオトコのコ
あまりにも意外すぎる新人くんの言葉に、返す言葉を失う。

年下どころか、そんな付き合い方したこと無い。
よっぽど自信あるのかしら?
でも、その自信に興味を持ったのも、正直ウソじゃない。

今までは、オトナの渋い男性に憧れて、歳上に拘ってはいたけれど。
渋くてカッコいいオトナの独身男性なんてそう都合よく見つかる訳もなく。渋くてイイなぁ、と思うヒトは殆ど既婚者で。不倫なんてドロ沼はゴメンだから、既婚者と判った時点で恋愛対象からは外していた。

既婚者のクセに色目を使ってくるオトコなんて最低、とカバンで殴って逃げたこともある。

そうして付き合ってきた同年代及び少し年上の、歴代の彼氏は…だいたい子供じみていた。だから、オトコの実年齢なんて、実際関係ないんだと、正直悟ってもいた。
幾つになろうがガキはガキなんだ、と。

谷口くんは…顔は、タイプの部類に入る。

前彼と別れて久しい上に、生理前で欲求があったのもある。
お酒が入ってたのが一番大きい。
つい、

「いいわよ。1回だけ、試してみる?」

と言ってしまった。
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