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はじめの一歩
第4章 Let's party
「営業部にさ、巽くんて、いるじゃん?遙知ってる?」

「どしたの?急に…」

いつものお昼時間、カナちゃんがご飯を食べながらいきなり聞いてきた。

「知ってるってか、私の担当だけど?」

「どんなコ?」

「中途組だから、2年くらいかな?体調崩したとかでブランクあって入ってきたから実質社会経験としては新卒並だったけど。歳は27か8。詳しく聞いたわけじゃないけど、前職がかなりブラックだったらしくて、1年くらいで身体壊してしばらく療養してたとかなんとか。本人はイイ子だよ?井上くんみたいに要領よくテキトーに流すタイプじゃない。勤務態度も真面目だし、仕事も丁寧だし、得意先の評価も悪くないって課長も言ってた。樹さんも可愛がってる。でもなんでカナちゃんが巽くんを気にするの?」

「実はさ、洋くんの高校の時の先輩らしいのよ。こないだ社内で偶然会って10年振りくらいに話したんだって。」

「すごい偶然ね、てかこの社内で2年いて気付かなかったんだ。」

「まぁ、それもそうだけど。でもねぇ、学年も違うし営業と総務じゃ一緒に呑みに行く機会もないし、社内ですれ違う程度なら意識しなきゃ気づかないもんじゃない?洋くんも昔の同級生と会ったりした後だったから気付いたって言ってたし。」
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