この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
はじめの一歩
第5章 Piece of memory ー記憶の欠片ー
私…この目を知ってる…
昔…ウチで飼ってた、犬のコロ。
何をしても、私を疑うことなく、慕わしい真っ直ぐな目で見つめてくる。
気分のいい時は可愛がったけど、子供特有の気まぐれや天邪鬼で、いじめたこともあった。
散歩も面倒だと思ったし、学校でヤなことがあると八つ当たりもした。
それでもいつも、期待に満ちた目で、ボールを咥えて、投げて、って尻尾を振りながら私を見上げてくる。
私が高校を卒業して、短大生になる頃にはヨボヨボの老犬で。
私は彼氏ができて、夜中に帰ることも珍しくなくなった。
コロは、庭の小屋で寝てたはずなのに、私が帰ると必ず起きて、ヨロヨロと小屋から出て来て。何時ものあの目でお帰りなさい、って。
尻尾を振りながら迎えてくれた。

全然いい飼い主じゃなかったのに。
ずっと私を信頼して、見つめてくれた。

コロが死にそうになって、初めて、もっときちんと世話をしてあげればよかったって。
いっぱいいっぱい可愛がってあげればよかったって。
意地悪してごめんなさいって。
沢山の後悔をした。
コロは私が二十歳になる前に死んでしまった。
でも、もし、またコロが私に逢いたいと思ってくれるなら、どんなカタチでもいいから、逢いに来て欲しいって、思った。
そしたら、今度こそ、ちゃんと可愛がってあげる!って…決めた。

/166ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ