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はじめの一歩
第5章 Piece of memory ー記憶の欠片ー
私…この目を知ってる…
昔…ウチで飼ってた、犬のコロ。
何をしても、私を疑うことなく、慕わしい真っ直ぐな目で見つめてくる。
気分のいい時は可愛がったけど、子供特有の気まぐれや天邪鬼で、いじめたこともあった。
散歩も面倒だと思ったし、学校でヤなことがあると八つ当たりもした。
それでもいつも、期待に満ちた目で、ボールを咥えて、投げて、って尻尾を振りながら私を見上げてくる。
私が高校を卒業して、短大生になる頃にはヨボヨボの老犬で。
私は彼氏ができて、夜中に帰ることも珍しくなくなった。
コロは、庭の小屋で寝てたはずなのに、私が帰ると必ず起きて、ヨロヨロと小屋から出て来て。何時ものあの目でお帰りなさい、って。
尻尾を振りながら迎えてくれた。
全然いい飼い主じゃなかったのに。
ずっと私を信頼して、見つめてくれた。
コロが死にそうになって、初めて、もっときちんと世話をしてあげればよかったって。
いっぱいいっぱい可愛がってあげればよかったって。
意地悪してごめんなさいって。
沢山の後悔をした。
コロは私が二十歳になる前に死んでしまった。
でも、もし、またコロが私に逢いたいと思ってくれるなら、どんなカタチでもいいから、逢いに来て欲しいって、思った。
そしたら、今度こそ、ちゃんと可愛がってあげる!って…決めた。
昔…ウチで飼ってた、犬のコロ。
何をしても、私を疑うことなく、慕わしい真っ直ぐな目で見つめてくる。
気分のいい時は可愛がったけど、子供特有の気まぐれや天邪鬼で、いじめたこともあった。
散歩も面倒だと思ったし、学校でヤなことがあると八つ当たりもした。
それでもいつも、期待に満ちた目で、ボールを咥えて、投げて、って尻尾を振りながら私を見上げてくる。
私が高校を卒業して、短大生になる頃にはヨボヨボの老犬で。
私は彼氏ができて、夜中に帰ることも珍しくなくなった。
コロは、庭の小屋で寝てたはずなのに、私が帰ると必ず起きて、ヨロヨロと小屋から出て来て。何時ものあの目でお帰りなさい、って。
尻尾を振りながら迎えてくれた。
全然いい飼い主じゃなかったのに。
ずっと私を信頼して、見つめてくれた。
コロが死にそうになって、初めて、もっときちんと世話をしてあげればよかったって。
いっぱいいっぱい可愛がってあげればよかったって。
意地悪してごめんなさいって。
沢山の後悔をした。
コロは私が二十歳になる前に死んでしまった。
でも、もし、またコロが私に逢いたいと思ってくれるなら、どんなカタチでもいいから、逢いに来て欲しいって、思った。
そしたら、今度こそ、ちゃんと可愛がってあげる!って…決めた。