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第1章 祥悟と沙織のバレンタイン

祥悟くんを見てると、本当に何着ても決まる人って居るんだなぁ…とつくづく思う。

本人はあんまりアウトドア派ではない、というけど、スポーティな格好からカジュアル、キレイめ、スーツまで、ばっちり決まってしまうのは、細身の筋肉質の体型と、180弱の長身、長めの脚の所為だろうか。

顔立ちも整ってるし、髪は短くて、ピシッと決めすぎじゃないのにだらしなくはない絶妙なチラシ具合。
本人曰く、上手にヘアセット出来ないから適当にしても決まるように美容師さんにお願いしてるだけ、という事だけど。
だから2年アメリカに行ってた時は、その絶妙な感じが向こうの美容師さんに伝わらなくてセットに苦労した、と言ってたっけ。

確かに帰ってきて再開した時は今よりちょっと長めではあったけど、そんなにおかしくもなかったけどな。

ま、2年離れてたってのと、再開できた喜びが大きくて細かいとこまで見えてなかったのもあるかもしれない。

腕を組んで磯上邸まで歩くのも楽しい。
身長差があるから、気を抜くとぶら下がるような感じになってしまうのだけど、重いとか歩き難いとか言わずにぐっと支えてくれるのも嬉しい。