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色んなコトしましょ
第2章 『わがままな犬』
まず確信したのは、これを書いているのが司書さん自身だということ。
覗き魔の描写が、いちいち俺と合致している。
着ていた服や、やたらと鼻をかく癖など。
恐らく、彼女は初めからずっと気がついていたのだ。
そうじゃないと、ここまで正確には俺のことを書けない。
受付で袋に詰め込む際に、一緒に紛れ込ませたのだろう。
そう思うと、頭の先からかーっと熱くなる。
恥ずかしさや、全く筋違いだが怒りもきっと混じっている。
これは彼女なりの俺への復讐なのだろう。
しかし、小説を読み進める内にその考えが180度変わった。
明らかに、主人公である彼女は見られることを楽しんでいる。
江戸川乱歩の小説ような調子で進むこの湿っぽい小説は、途中からほとんど官能小説に変わる。
『私は家に着くとすぐさま服を脱ぎ散らし、パンツも履いたままで一心不乱に恥部をまさぐり始めた。』
など、読んでいるこっちが恥ずかしさで絶叫しそうな文章が散りばめられている。