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瞳で抱きしめて
第8章 対峙
「湊斗くん、今日はもう実家に戻らないの?」
ゴミになった宅配ピザの容器を小さくたたみながら真理が湊斗にきいている。
「いや。夜は親父たちと食事する予定。その前に大学に手続き関係やりにいかなきゃな」
「じゃあそろそろ俺たちも帰るか」
雄介の言葉で、私たちも何となく身支度を整え始めた。
「ちょっとトイレ借りるよ」
そう言ってトイレへ立った私に、湊斗がついてくる。
「トイレットペーパー、まだ置いてない」
「ありがとう」
受けとった私の身体を、湊斗がトイレの手前まで軽く押した。
リビングからは死角になる位置まで。
「なに?」
嫌な予感がして、少し身構える。
「これ。…誰がつけた?」
私の首筋を隠していたストールを指先でずらして、低い声で問われた。
「…これ」
唐突に触れられて、身体がピクリと反応する。
見つめる湊斗の視線に微かに怒りが混じっているのを、私は見逃せなかった。
こういう顔をする湊斗をよく知っている。
怒ったとき、湊斗は視線に出るのだ。
ゴミになった宅配ピザの容器を小さくたたみながら真理が湊斗にきいている。
「いや。夜は親父たちと食事する予定。その前に大学に手続き関係やりにいかなきゃな」
「じゃあそろそろ俺たちも帰るか」
雄介の言葉で、私たちも何となく身支度を整え始めた。
「ちょっとトイレ借りるよ」
そう言ってトイレへ立った私に、湊斗がついてくる。
「トイレットペーパー、まだ置いてない」
「ありがとう」
受けとった私の身体を、湊斗がトイレの手前まで軽く押した。
リビングからは死角になる位置まで。
「なに?」
嫌な予感がして、少し身構える。
「これ。…誰がつけた?」
私の首筋を隠していたストールを指先でずらして、低い声で問われた。
「…これ」
唐突に触れられて、身体がピクリと反応する。
見つめる湊斗の視線に微かに怒りが混じっているのを、私は見逃せなかった。
こういう顔をする湊斗をよく知っている。
怒ったとき、湊斗は視線に出るのだ。