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瞳で抱きしめて
第1章 家出?
「なんだか、すみません」


作戦会議の後、自宅に着替えを取りに行くため光と樹理は並んで歩いていた。


光は樹理のジャージのズボンと彼女のTシャツを着た姿だった。

光より少し背の高い樹理の服は、彼にぴったりのサイズだ。


「気にしなくていいよ。むしろ…なんだか勝手に色々話がまとまって迷惑してない?」


「いや、そんなことは」



言いながら光は、先程の作戦会議での真理と雄介のヒートアップっぷりを思い出して思わず吹き出した。



「楽しそうでしたね。真理さんと雄介さん」


「作戦と名の付くものが好きだからね」


お子さまだよね、と付け加えて樹理は笑う。


「光の方がよっぽど大人に見えるね。落ち着いてるし」


昨日、いじめの話をする前より随分と樹理は自分に対してフランクになってきたように光は感じた。

なんだかとても嬉しくて、光は気持ちが高揚してきた。


「いじめっこ暦が長くてひねくれただけですよ」


「私も同じ」


いじめに関する会話も、他愛のない話題のように話すことができた。

そして話せば話すほど、心が軽くなっていく。

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