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瞳で抱きしめて
第1章 家出?
自宅を出て、光はパンパンのボストンバッグを持って歩いている。
隣を歩く樹理はバッグに入りきらなかった荷物を入れた手提げ袋で両手を塞がれていた。
そんな樹理の右手を見つめながら、光の胸には甘い痛みが走っていた。
握った樹理の手は、ひんやりとしていた。
柔らかくて、光の手よりも小さかった。
包み込むように握ると、まるで彼女のことを抱き締めているような錯覚に陥って脳天がクラクラした。
確信してしまった。
━━━━━恋に落ちている。
多分、一目惚れだ。
こんなに甘く、切なく、他のことがちっぽけに感じられる感情は知らなかった。
それが恋だと分かってしまうと、光は焦る。
どうすればいいのだろうか。
樹理の手を握った左手の人差し指で、そっと唇の絆創膏を撫でた。
隣を歩く樹理はバッグに入りきらなかった荷物を入れた手提げ袋で両手を塞がれていた。
そんな樹理の右手を見つめながら、光の胸には甘い痛みが走っていた。
握った樹理の手は、ひんやりとしていた。
柔らかくて、光の手よりも小さかった。
包み込むように握ると、まるで彼女のことを抱き締めているような錯覚に陥って脳天がクラクラした。
確信してしまった。
━━━━━恋に落ちている。
多分、一目惚れだ。
こんなに甘く、切なく、他のことがちっぽけに感じられる感情は知らなかった。
それが恋だと分かってしまうと、光は焦る。
どうすればいいのだろうか。
樹理の手を握った左手の人差し指で、そっと唇の絆創膏を撫でた。