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第1章 家出？

夏休みまでの一週間。



光と樹理、真理と雄介の四人は、作戦会議で決まった通りのことを見事成功させた。


光の保健室登校はあっさり認められ、光の学校での移動範囲は校門から一番近い位置にある保健室とその隣にあるトイレ、たまにその斜向かいに位置する職員室の三ヶ所だけとなった。

下校時間を知らせるチャイムが鳴るとすぐに保健室から玄関に走り、校門を出たところで迎えに来ていた樹理たちと落ち合った。


いじめっこ達に鉢合わせる時間を与えなかった。



「今日もうまくいったね」



光の顔に新しい傷ができていないのを確認すると、樹理は嬉しそうに笑った。


その笑顔が嬉しくて、光はこの顔が見れるならいくらでも逃げようと心に決めるのだった。


たとえあいつらに「卑怯者」と罵られても、全く心に響かないことを知っている。



もっともっと、痛いくらいに心地よい甘い刺激を知ってしまったから。