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瞳で抱きしめて
第4章 不意討ち
「お若いですよね。初めてお会いしたときも思いました」
「…光を産んだのが、20歳の頃ね。今の感覚だと若い出産かもね」
「20歳?!すごい。私もうその年齢越えちゃってますよ」
軽く衝撃を受けて手が止まってしまった。
そんな私を見ておかしそうに笑う。
「高校出てすぐ働いちゃったからね。結婚も早かったから……だけど、若くうんだせいもあったのかも」
突然声のトーンが落ち、箸を動かす手元も止まる。
「あの子がいじめられたの」
目線の先には楽しそうに笑う光がいた。
「髪の色、目の色、肌の色だけじゃなくて、母親の私とも不自然に歳が近く見られることがよくあったの……だから、里子だとか血が繋がってないとか、もっとひどいと、実はきょうだいじゃないかとか、ありえないこと言われてきた……」
「……」
その時の親子の気持ちを思うと、自然と自分がいじめにあっていた時の心境が蘇ってくる。
私は強張る右手を震えないように左手で抑えた。
「樹理さん」
体ごと私の方に向けて、美里さんは微笑んだ。
「だから、とても感謝してるのよ。樹理さん、真理さんと雄介さんには。あの子傷を作って帰ってくることがなくなったし、なによりも…前よりずっと明るくなったから」
「そんな…ほとんど私達が勝手にやったことです…むしろご心配おかけしたと思います」
誘拐したと言われればぐうの音も出ないようなことをした自覚が私にはあった。思わず頭を下げる。
「そんな風に思ってないわ。樹理さん…本当にありがとうね。光が心を開ける人達に出会えて、とても嬉しいの」
私の肩に手を添えて顔を上げさせると、美里さんは目を細めて優しく微笑んだ。
「…光を産んだのが、20歳の頃ね。今の感覚だと若い出産かもね」
「20歳?!すごい。私もうその年齢越えちゃってますよ」
軽く衝撃を受けて手が止まってしまった。
そんな私を見ておかしそうに笑う。
「高校出てすぐ働いちゃったからね。結婚も早かったから……だけど、若くうんだせいもあったのかも」
突然声のトーンが落ち、箸を動かす手元も止まる。
「あの子がいじめられたの」
目線の先には楽しそうに笑う光がいた。
「髪の色、目の色、肌の色だけじゃなくて、母親の私とも不自然に歳が近く見られることがよくあったの……だから、里子だとか血が繋がってないとか、もっとひどいと、実はきょうだいじゃないかとか、ありえないこと言われてきた……」
「……」
その時の親子の気持ちを思うと、自然と自分がいじめにあっていた時の心境が蘇ってくる。
私は強張る右手を震えないように左手で抑えた。
「樹理さん」
体ごと私の方に向けて、美里さんは微笑んだ。
「だから、とても感謝してるのよ。樹理さん、真理さんと雄介さんには。あの子傷を作って帰ってくることがなくなったし、なによりも…前よりずっと明るくなったから」
「そんな…ほとんど私達が勝手にやったことです…むしろご心配おかけしたと思います」
誘拐したと言われればぐうの音も出ないようなことをした自覚が私にはあった。思わず頭を下げる。
「そんな風に思ってないわ。樹理さん…本当にありがとうね。光が心を開ける人達に出会えて、とても嬉しいの」
私の肩に手を添えて顔を上げさせると、美里さんは目を細めて優しく微笑んだ。