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瞳で抱きしめて
第4章 不意討ち
「さ、料理運んじゃいましょう」
小皿に小分けした料理をトレーに乗せると、軽やかに光達の元へ運んでいく。
私も残りの皿を運ぼうとしていたところに、光がやってきた。
「樹理さん、手伝うよ」
高校に合格した頃から、光は私に敬語を使わずに話しかけるようになった。
最初にタメ口で話してもいいかと聞かれた時点で私は全く構わないと思ったが、冗談混じりに
「なめてんの?」
と茶化してみた。
すると、大慌てで否定したものだから思わず吹き出したものだ。
「ちがっ…ちがいます!……ただ、敬語だとなんだか距離を感じて…。」
「距離?」
「…樹理さんとはもっと、何て言うか、正しい敬語使おうとか、こういう風にいいまわさなくちゃとか考えずに…素直に話したいんです」
真っ赤な顔でこんなこと言うものだから、「いいよ」と言わずにはいられなかった。
まぁ、全く嫌ではなかったんだけど。
相変わらず真理や雄介には敬語混じりだったが、私にはすっかりタメ口を使うのに慣れた様子だ。
「ありがと。じゃあ私、奥にワインあるから取ってくる。美里さん好きでしょ?真理も飲むだろうから」
「それも俺が運ぶよ」
「いいよ、主役でしょ。ワインの他に日本酒とか持ってきたいし、ビールも追加を…」
「一人で運ぶの大変だよ。一緒に行く」
そう笑うと、さっさと料理をテーブルに運んで光は私の隣に並んだ。
小皿に小分けした料理をトレーに乗せると、軽やかに光達の元へ運んでいく。
私も残りの皿を運ぼうとしていたところに、光がやってきた。
「樹理さん、手伝うよ」
高校に合格した頃から、光は私に敬語を使わずに話しかけるようになった。
最初にタメ口で話してもいいかと聞かれた時点で私は全く構わないと思ったが、冗談混じりに
「なめてんの?」
と茶化してみた。
すると、大慌てで否定したものだから思わず吹き出したものだ。
「ちがっ…ちがいます!……ただ、敬語だとなんだか距離を感じて…。」
「距離?」
「…樹理さんとはもっと、何て言うか、正しい敬語使おうとか、こういう風にいいまわさなくちゃとか考えずに…素直に話したいんです」
真っ赤な顔でこんなこと言うものだから、「いいよ」と言わずにはいられなかった。
まぁ、全く嫌ではなかったんだけど。
相変わらず真理や雄介には敬語混じりだったが、私にはすっかりタメ口を使うのに慣れた様子だ。
「ありがと。じゃあ私、奥にワインあるから取ってくる。美里さん好きでしょ?真理も飲むだろうから」
「それも俺が運ぶよ」
「いいよ、主役でしょ。ワインの他に日本酒とか持ってきたいし、ビールも追加を…」
「一人で運ぶの大変だよ。一緒に行く」
そう笑うと、さっさと料理をテーブルに運んで光は私の隣に並んだ。