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瞳で抱きしめて
第4章 不意討ち
さっき雄介が驚いていた通り、光の背はまた伸びたようだ。



改めて隣に並ぶと、もう目線が同じくらいなんてとても言えないくらい光の目が上にあった。



「ねぇ、この半年ちょいで身長どんくらい伸びた?」


「うーん。多分10センチくらいかな…」


「すごいねぇ。確かに美里さんも長身だし、まだまだ高くなったりして」



酒のボトルを両手に抱えながら、二人で店に戻る途中だった。

リビングに差し掛かったところで、光が足を止めた。



私が二本で光が三本。


やっぱり重たすぎたか?



「大丈夫?」



ダイニングテーブルにボトルを一旦置いた光に声をかけた。


ドア1枚で店だ。

ここから2回に分けて運べばいい。


そう提案しようと、私もテーブルにボトルを置いて口を開きかけた時だった。




「樹理さん、好き」




光がそう言った。



呟くような声で、そっと。





━━━━━ 何が、好き?




耳が拾えなかった単語がなにかあったのだろうか。


私は本気でそう考えて、「え、なに?」と光に聞き返そうとした。




が、その前に光は繰り返した。



━━━今度は、ゆっくりと、確かに聞こえる大きさの声で。





「樹理さんのことが好きだ」
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