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瞳で抱きしめて
第5章 新生活
樹理さんとの散歩は、去年の夏休みのように毎日というわけにはいかなかったが、こうして続いている。
樹理さんはいつも、気持ち良さそうに歩く。
どんなことを考えているのだろうと気になって、1度聞いてみたことがあった。
「なーんにも。何も考えないで、ただ歩いてるだけ」
そう答えた樹理さん。
「それが息抜きになるの」
今も、何も考えないで歩いているんだろうな。
少しだけ開いた口許にドキドキしている男が隣を歩いているなんて、全く気にしていなさそうだ。
前途多難だな。俺は静かにため息をついた。
樹理さんはいつも、気持ち良さそうに歩く。
どんなことを考えているのだろうと気になって、1度聞いてみたことがあった。
「なーんにも。何も考えないで、ただ歩いてるだけ」
そう答えた樹理さん。
「それが息抜きになるの」
今も、何も考えないで歩いているんだろうな。
少しだけ開いた口許にドキドキしている男が隣を歩いているなんて、全く気にしていなさそうだ。
前途多難だな。俺は静かにため息をついた。