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瞳で抱きしめて
第6章 元カレ
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「おかえり、お姉ちゃん」
店に戻ると、ちょうど客足が切れたところだったのかカウンターの内側で真理が洗い物をかたづけているところだった。
「店番ありがとうね」
「どーいたしましてっ!どうだった?直接お姉ちゃんが営業所に持ってく形でいけそう?」
「うん。大丈夫そう」
最近、うちの店では店で焙煎したコーヒー豆のネット販売を開始したのだ。
今日は初めて発送した日。
私は早速注文の入った商品を運送会社の営業所まで持ち込んできたのだった。
集荷に来てもらうよりも自分で持ち込んだ方が割安だし、自家用車で運べないくらいの注文が入る見込みは当分ないだろう。
「そうだ!お姉ちゃん、大ニュース」
出荷した荷物の控えをレジ横の伝票入れに整理していると、何かを思いだした真理が大きく私を呼んだ。
顔をあげる私を待たず、何故か興奮したように告げる。
「湊斗くん、帰ってくるの明後日だって!」