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瞳で抱きしめて
第7章 恋人にして

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「へぇ。夏休みにクラスメートと遊びにかぁ。いいね。楽しんできなよ」


夜の散歩道。



今日は店を閉めたあと、夕飯を済ませてからの散歩だった。



いつもよりも遅い時間。


既に21時を回っていた。


今日の出来事。

松井さんから誘われて夏休みに皆で遊びにいくことになりそうだという話をしながら、神社への道をのんびり歩いていた。



「樹理さんも高校の頃は友達と遊んだりしたの?」



俺の知っている普段の樹理さんは、店で働くか家で寛ぐか、こうやって散歩しているだけだ。


普段一緒にいる人といえば俺と真理さんか雄介さん、お店の常連さんくらいだろう。


友達と遊んでいる姿というのはイメージがわかなかった。



「まぁ、高校短大生の頃はね。仲の良い友達もいたし、買い物とかカラオケとか、ごく普通の学生らしい遊び方してたよ。社会人になってからは、皆お互いに忙しいから…。あまり会えなくなったけど。それでもたまにお店に顔だしてくれたり、連絡しあったりはするよ」


「へぇ…。樹理さんがカラオケ。意外」


「なにそれ。私結構上手いよ」



小突かれた手を捕まえて、指を絡める。



「俺も樹理さんと行きたいな」


「今度ね」



繋がれた手はそのままに、樹理さんは笑う。


こうしていると、まるで普通の恋人同士だ。
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