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瞳で抱きしめて
第7章 恋人にして
その後、どうやって家まで帰ったのか記憶が定かじゃない。


真理さんと雄介さんが不在の家は消灯されていて真っ暗で、その暗闇の中どうやって樹理さんの部屋までたどり着いたのかも。



━━*━━━*━━━*━━━



気づいたら樹理さんと二人、ベッドの上で折り重なり長く深いキスをしていた。


時折聞こえるのはお互いのリップ音と、まさぐる舌がたてる水音、そして少しずつ荒くなっていく二人分の息遣いだけだった。



「樹理さん………ハァ……好き……好きだよ…!……大好きだから…」




大好きな人の首筋に唇を這わせながら、逃がさないように手首を掴んで組み敷いた身体に体重をかけた。




「恋人にして…」



「ん……ぁ…あ!」




樹理さんは耳朶から鎖骨にかけてのラインがとても敏感だ。



唇でついばむようなキスを繰り返すと、その度に小さく身体がびくついた。




「甘えてるだけでもいい…いいから…俺のこと好きなら、恋人になってよ…」




好きと言われた衝撃で、もう俺の中には自制心なんてものが存在しなくなってしまった。



樹理さんに1秒でも早く恋人になることを認めさせたくて、


彼女の身体にもっともっと触れたくて、



そればかりで一杯になる。




「きゃ…っ!」



首筋に強く吸い付くと、樹理さんは一際大きな甘い鳴き声をあげた。



もっと聞きたくなって、少しずらして同じ事を繰り返す。



「…っ!あぁ…!ひかる…っ…」



「ダメ。逃げないで」



身をよじった彼女の両腕を頭の上まで上げると、左手でまとめて捕まえる。


樹理さんの細い手首は楽々と俺の左手におさまってしまった。


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