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瞳で抱きしめて
第8章 対峙
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「ねぇねぇ、来週の集合場所だけどさ」
駅までの道のり。
俺は智也と隆史、松井さんと鈴木さんの5人で歩いていた。
夏休み中にこの5人で遊ぶ計画は、部活の合宿の兼ね合いもあり夏休みが始まってすぐの来週の月曜日ということになったのだ。
そして今はその待ち合わせ場所やら時間やらを決めているところだった。
女子二人と隆史は楽しそうにずっと高めのテンションで話を進めている。
普段から割りと落ち着きのある智也はまとめ役という構図だ。
俺はというと…
朝からずっと上の空だった。
原因は、突然の帰国をした湊斗。
正確には、突然そんな重要なことを今朝になって明かした真理さんのせいだったが…。
心の準備もできないまま、数分後に対面することになる、樹理さんの元カレ。
過去のことではあるけれど、樹理さんの恋人だった男…。
━━━どんな奴なんだろう。
樹理さんの一つ上ということは、俺よりも7つも年上ということだ。
23歳。
ずっとおとなに聞こえる響きだった。
樹理さんと、どんな恋をしてきたのだろう…?
想像するだけで、心が重くなった。