この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
瞳で抱きしめて
第8章 対峙
「ねぇ、戸田くん。そのおばさん誰?」



後ろから俺の腕をひっぱって、松井さんが不満そうに声をかけてきた。



おばさん?

おばさんってだれのことだ?



全くピンと来なかったその単語。



…樹理さんが苦笑いしたのを見て、理解する。




その瞬間、カァッと頭に血が上ったのが分かった。





「ちょっと、松井さん…!」




明らかに樹理さんに対する悪意のある言葉だと分かった。



咎めようと俺が口を開きかけた瞬間だった。





「あのさぁ。世間的には22歳はオバサンって呼ばない年齢だよ?これから社会に出ていく若者なら、それくらいのマナー身に付けておいたほうがいいね?…さもないと…痛い目みるよ…?」





先程まで智也や真理さんたちと楽しげに話していた長身の男が、松井さんの目線まで顔を屈めて囁いていた。



ニッコリと、爽やかな笑顔を浮かべて。



でも、声は笑ってなかった。



「ね、おじょーさん」



「…!…は、はい…」



威圧感のある声。



松井さんの顔が凍りついている。



「あ、怖がらせたかな。ごめんね」



今度は本当に優しそうな声音。

その落差と変化のスピードがかえって恐ろしさに拍車をかけていた。



俺はその男を改めて確認する。



切れ長の目と、細身だが筋肉質な体つき。


こいつが━━━━



「…湊斗」



咎めるように呟く樹理さん。



湊斗、と呼ばれたその男は、相変わらずにこやかに笑顔を浮かべたままだった。



「ごめんごめん。気にしないで、ね。じゃあ、揃ったみたいだしそろそろ行こうか」



遂に対峙してしまった湊斗に、心が不穏なざわめきを上げ始めた。
/107ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ