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3つのジムノペディ
第2章   レント(ゆっくり)で、苦しみをもって

ぼくは独り身であることを告げた。
「独身であることは」と彼は言う。すこしイタズラっぽく。「罪ではないが病である。わたしたちホモセクシュアルと同じようにね」
「ずいぶんな言いようですね」
「昔の人は、元服の一六を境に大人にって、妻をめとった。
三十歳を越えて結婚もせず、子どもも作らないのは、病気じゃないかと疑われた。
もうすこし現代に近づけば、同性に興味を持つことは、病だと考えられた。精神の異常だと。
どちらも、ただ、こころのままに過ごしているだけなのにね」
彼はそう言って、ぼくに小さく笑いかけた。

おそらく彼のリードが恐ろしく上手かったせいだと思うのだが、ぼくはその晩、かなりの酒を飲んだ。
しかし一向に酔う気配がなかったのは、ホモセクシュアルの男性とサシで飲んでいることに対する警戒心だったろうか? 彼は紳士的な態度を一切崩さず、最後まで一定のトーンで四方山話に付き合ってくれた。

何杯かのチューハイと、ビールと、ウィスキーを飲んだ後に、話題はセックスの方面に移っていった。いや違う。
結婚すること、人を愛することというテーマが徐々に、セックスの技巧的な側面にシフトしていったのだと思う。
彼はセックスをコミュニケーションの極めて重要なエレメントだと考えていた。人を愛する時、それは様々な形で表現され、気持ちを伝え合う。ただ愛するのではなく、愛されること。伝えるだけでなく、受け入れること。相手をいつくしみ、相手にいつくしまれることの歓びを、彼は小さな声で、けれどもとても論理的に上品に語った。興味深い話だ。
彼は、狭いカウンターを中指でトントン叩きながら、「大事なのは耳を傾ける姿勢なんです」と言った。「口を閉じて目をつむり、パートナーの身体が伝えてくる言葉に耳を傾けることが重要なんです」と言った。
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