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私立S学園高等部
第4章 Pink Prisoner
今年の高等部の新入生には三大美人と評判の女子三人がいた。
一人目は岬せりな。
二人目は坂口まりや。
三人目。
「本当に美人だよなぁ。」
「背も高くてスタイル良すぎ。」
「あ、生徒会長連れて歩いてる。」
「あの二人付き合ってるの?」
「ヤってるぽいけど付き合っては無いと思うよ?」
「えーそうなの?」
「あの生徒会長が一人の女に絞れる訳ないじゃん?」
「あー確かに。」
「それに高津さんの方も学園の有名なイケメンと寝まくってるって話らしいよ。」
「あー。でもあんだけ美人ならそうなるよなぁ、俺もヤりてぇ。」
「ちょっと、こっち振り向いた!聞こえた?」
聞こえてるけど別に悪い話でもないし。
先輩らしい男子生徒二人組に笑いかける。

「やっべ…。やっぱり高津さん美人…。」

私、高津樹理にとって生徒会長の阿部先輩は彼氏と言うよりは『セフレ』かも知れない。
月に一度位セックスしてる。
LINEとか普通にするしセックス抜きにして会って勉強教えてもらったり大学のカフェテラスでお茶したりするけど。

初めての相手は阿部先輩だった…。

私は中等部からこの学園に来た。
中等部は全寮制でガチガチに監視される窮屈な生活だと聞いていて、大体の同級生は親の意向でこの学園に入れられるんだけど私は自分の意思でこの学園に来た。
実際に家にいるよりこの中等部の生活の方が気楽だった。

同級生の誰と仲良くなってもいい。
テレビが無いとか携帯は通話とメールのみとかあるけど家にいた頃は携帯も禁止されていたしテレビも親が選んだ番組しか観れなかった。
音楽も時間さえ配慮したら好きな曲を聴ける。
習い事でガチガチに固められた生活もしなくていい。
ブーブー学園生活に文句を言う同級生を尻目に私にとっては自由を堪能していた。

学校に行くのも常に送迎がついていて友達も親がこの子と仲良くしろと口出ししてくる。
やれ家柄がー収入がー。
ピアノにバイオリンに英語に乗馬にバレエに。
私はそろばんとかお習字とかお花とかしたかったんだけどそんな物は要らないと言われた。フラワーアレンジメントは代わりにさせてくれてそれは楽しかったのだけど。
でもお茶や着付けは習えとか言われてたな。

本当に小学生時代は楽しくなかった。

家を出ることばかり考えていた中、この学園のことを知った。
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