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私立S学園高等部
第4章 Pink Prisoner
帰宅して迎えてくれた兄にはただいま、と言った。
父は不在だった。
「ごめん、寝させて。」
一目散に自分の部屋に籠り鍵をかけた。
合鍵親が持ってるけど知らない。
本当に眠いし。多分ベッドに入ったらソッコー眠っちゃう。

自分の部屋に少しの感傷はあったけどそれより眠気が勝った。
服をパジャマに着替えベッドに入った。
あー一人エッチとかできないんだろうなぁ…。このベッドでセックスしたらハードな体位もしやすいんだろうなぁ…。
そんなバカなことを考えながら眠りに着いた…。

夕食時には起こされ、両親と兄と私と一家四人揃ってテーブルを囲んだ。
「パジャマに着替えてるなんてはしたない」
「疲れて寝てたんです。」
一々五月蝿いなぁ。
出来る限り喋らないようにしたい。
兄は苦笑い。
「まあそんだけ遠いんだし樹理も疲れるよな?」
はぁ…。なんでこの両親からこの優しいお兄ちゃんが産まれたのかな?不思議…。
兄は成績優秀でそれでいて優しい。
すんごいイケメンでは無いけど背も高く、割にモテる。
更に言うと兄は次期社長だしね…。
私が返事をするとネチネチ嫌味を返す母も兄には甘い。
「仕方ないわね…。」
「勉強の方はどうなんだ?」
「高等部に上がって初めての試験は悪かったけど期末試験は良かったです。」
両親とも私の成績知ってるくせに。
「中間試験の成績だとS学園通わせている意味が無い。期末試験の成績をキープするように。」
「はい。」
ほっ。
成績の話もこの程度で済んで良かった。
とにかくさっさとご飯食べてお風呂入って寝ようっと。

帰宅したのは親のご機嫌取りと法事に出るのとお兄ちゃんに会うためだけなんだし。
ちょっとだけ買い物行きたいなぁ。お兄ちゃんに頼んでみようかな?

法事で親戚一同が集まる。
何で法事なのに美容院行かされるの?
見た目だけが自慢の娘ってことなのかな。
そして法事の後の食事会も親戚からの樹理ちゃんは美人だなというお世辞をニコニコしながら聞いてる母。
あんたが褒められてるんじゃないっての。
「樹理ちゃんも彼氏位いるんでしょ?」
「いいえ。まだ高校生ですし彼氏とか早いですよ…。」
なんで母親が答えるの?クソババァ。
親戚の叔父さん叔母さん従兄弟は嫌いじゃない。
両親だけ。嫌いなの。
そして母が早稲田に通う従兄にこんなことを言って白けるし皆ドン引きする。

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