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私立S学園高等部
第4章 Pink Prisoner
「東大とか京大に行くの?官僚目指すの?」
「まだそれも考えては居ません…。ただ、理系学部ではなく法律や政治や経済について学びたいと思っています。」
何だこの優等生。
「東京からお越し頂き有難うございます。昼からもステージございますので三者面談後にでもよろしければステージ観て頂ければ嬉しいです。」
何この最強生徒会長。
阿部先輩はにこやかに挨拶して帰っていった。

「樹理!!」
何?また怒られるの?
「貴方、あんな彼氏がいるなら教えなさいよ!!」
「いや、だから彼氏じゃねーっての。」
「彼氏じゃないのなら彼氏にしちゃいなさい!!」
「はあ!?」
「阿部君なら樹理の彼氏に相応しい。いや、結婚相手にも文句ない。」
「何盛り上がってるの?」
頭痛いんですけど?

でも有難いことにそこから両親はご機嫌さんだった。
そして三者面談。

私の志望はこうだ。
「東京に帰る気は無い。東京以外で外部受験する。」
そしたら両親は再び勘違いする。
「阿部君が京大行くから京都の大学を受けるんだな!!」
「樹理ちゃん、そういう事情なら京都の大学を受験していいわよ。」
何じゃそりゃー!!
先生も何故か乗り気で「さすがに京大はしんどいと思うけど…。私学なら同志社とか立命?国公立なら府立大とか…。」
何でそうなるの!?
まあ勉強頑張るけどさ…。

でもお陰で三者面談もスムーズに終わった。

文化発表会が終わった。
その日の打ち上げは食堂でジュースで乾杯する程度だった。
あ、食堂で勿論?ミルクレープ食べました。
そして阿部先輩にも会った。
「樹理、ホンマに出てくれて有難うな。」
先輩お祖父様お祖母様に会ったからか関西弁モードだ。
「先輩…。お昼はすみませんでした。こちらこそ有難うございます。」
お昼の一件は本当に感謝しか無い。
「あー樹理あの後大丈夫やった?」
「もう両親ったら樹理の婿に相応しいとか五月蝿いんですよぉ!!」
先輩は苦笑いしたあと小声で耳打ちした。
「明日、空いてる?大学の学祭一緒に回らへん?」
「いいですよ。」
特に深くも考えずに明日の約束を交わした。

英語劇メンバーとはすっかり仲良くなった。
多分畠山さんとこんなきっかけが無かったら友達とかならなかっただろうなぁ。
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