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私立S学園高等部
第6章 真夏の夜の夢
その島は小さな島で人口も少ないけど漁業も農業も成功していて豊かな島だった。
幼稚園、小中とずっと同じメンツ。
一応高校で本土の学校に進学するけれどまた島で就職する島民も多い。

学校も同じメンツ。

そしてセックスの相手もずっと同じメンツ…。

そんな感じの島。

坂口まりやはその島の一番大きな一族の娘だった。
叔父は島の村長。
父は県会議員。
産まれたのは県庁所在地のある市だったけど、父の地域住民に「島のことを忘れてませんよ」というアピールのため兄妹揃って幼稚園から小学校までは島の学校に通っていた。
でもまりやの両親は島のことをバカにしていて「島に染まるな」と言い聞かせて育てられてきたし、中学からはS学園に進学することは決められていた。

それでもまりやとその兄は島に溶け込んでいた。
村長の叔父は島民からの信頼も厚く、まりやと兄も叔父のことを慕っていたし、この島の生活も楽しかった。

まりあの父の考えはこうだった。
「どうせここの島の連中は十代になったらやること無いからセックスばっかりしているんだろ?うちの子供をそんな野蛮な連中と交流させる訳にはいかないし、まともな教育を受けさせねば。」

確かにやること無いからセックスばかりしている、というのは事実だった。
この島で育った大人もそうだった訳で、島の大人達も避妊さえちゃんとすれば大目に見ていた。
島の中の相手としかしないので、性病も聞いたことがない。

まりあの父は中学から島の外に進学させれば大丈夫だと思っていた。
それはまりあの両親が島で育っていない故の無知だった…。
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