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私立S学園高等部
第2章 美人教師と忘れ形見
夏休みも大学の図書館に通うこともあった。
けどあんまりはるか先生には会ってない。
八月に入って久々にはるか先生に会ったんだけど娘さんが夏休みだし、宿題見たり、夏休みは外出出来るので外に連れ出したりしてるから仕事以外も忙しいって話してくれた。

「栃本君は暇なの?」
「暇と言うか何をすれば良いのか分からないので勉強だけしてる感じです。」
「皆高等部に進学したら彼氏だー彼女だーって浮かれてるのに栃本君は硬派なのね。」

『硬派』!!

うーん。

恋愛小説実は好きだし百人一首の恋歌に憧れる。
ラブソングも好き。
エロ動画も大好き。
興味はすんげーある。
けどそれにリアルが伴わない。

虚しい高一の夏休み…。

「先生は前に彼氏はいないって言ってたけど恋とかしてるんですか?」
ふとはるか先生に聞いてみた。
「してるよ。」
「えっ?」
「以前さ、栃本君、娘の手前遠慮してるんじゃ?とか言ってたけどそんなことしないよ。私、独身なんだしうちの学校、先生が恋愛しても全然OKみたいな土壌なんだから普通に恋愛するよ。」
「えっ?もしかして学内の人…?」
「え…。いや、…。あ、うん…。だってね、私、学内にしか出会い無いもん…。」
美人だとか鬼だとかいつも隙の無いはるか先生とは全く違う、恥ずかしそうなはるか先生…。

ドキッ!!

これ、素だよな?
可愛いんですけど?

何だか俺まで照れてきたので話題を変える。
「こないだはるか先生、娘さん連れてカフェテリア来てませんでした?」
「あー行ったよー。」
「娘さん超可愛いですよね!!」
「あれー?栃本君ってロリコン?」

えっ!?

何でそうなるの!?

「いやいやいや、せりなちゃんでしたっけ?めっちゃ可愛いですけどそんな目で見てませんって!!それにはるか先生も綺麗だなぁ…母娘揃って美人でヤバイなーとうっとりしてましたよ…。」
「母娘揃って美人とか嬉しいけどなんか嫌らしい目で見てない?」

ギクッ!!

そんなこと言ったってはるかさんもせりなちゃんも美人だしー!!どっちも可愛いしー!!

まさか後にどっちとも結ばれるなんて当時は想像すらしてなかったけど。
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