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私立S学園高等部
第2章 美人教師と忘れ形見
「せりなは絶対栃本君に会わせんとこう!」
「えーっ。」
何だよ、俺ロリコン認定かよ…。ちっ。
「可愛い自慢の娘だけどね。栃本君みたいなお婿さんだったら嬉しいけど私が嫌だ。」
「それ、どういう意味ですか?」
「だって私が栃本君タイプだもん。」

「はいっ!?」

図書館だと言うのに思わず叫んでしまい周りに睨まれる。
俺は慌てて口をつぐむ。

「あっ、言っちゃった。」
顔を赤らめながらも笑顔を作るはるか先生。

あーもー。

可愛いんですけど?

俺、メロメロなんですけど?

「俺が…タイプって本当ですか?」
「本当だよ。」
「じゃあ…。俺とデートしてって言ったら…。」
はるか先生は俺が言い終わらないうちに笑顔で返してきた。
「喜んで!!」

その日の夜、同室の大地に言うかどうか迷ったけど、誰かに話さないと俺が爆発しそうなので話を聞いてもらうことにした。

「なぁ…。大地…。」
「とっちーどうしたの?深刻そうな顔して…。腹でも痛いのか?」
「デートすることになった。」
「え?誰?誰?誰?」
「いや学内の人だけど。」
嘘じゃない。けどなんかはるか先生だとは言いづらかった。
「何処で?いつ?泊まり?ヤルの?」
「場所と時間は決めてないけどまあ悲しいけど学内だよ。泊まらねーしやらねーよ。」
「えー?童貞のくせに余裕綽々だねぇ。」
「童貞のくせには余計じゃ!!余裕綽々ならお前に話したりしねーよ!!」
「まあ確かにいつも大人びてるお前らしくない余裕の無さだな。」
だろ?
本当に何を着れば良いのか学内でしかデート出来ないけど学内のデートスポットは無いのかとか情報が欲しい…。

「学内のデートスポット…。大学の庭園とか今の時期無理だしなぁ…。カフェテリア位だよなぁ…。」
悲しいかな学園からの外出は本当に年に数回しか許可が下りないのでここで使う訳にはいかない。
春や秋だと広い学園の敷地内で桜だの紅葉だの銀杏だの色んな風景が楽しめるけど夏は…。
「相手誰だよ?」
「先輩。」
ごめん、大地、嘘ついた。
「それなら向こうの方が詳しいんじゃねーの?」
「そうだけどさ…。でも初デートで相手任せってさ…。」
「あー確かに…。」
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