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私立S学園高等部
第2章 美人教師と忘れ形見
どうせ初のデートって先生も知ってるんだし今更かっこつけてもしゃーない。
「俺、デートとか初めてだしどうしたら良いのか分からないです。」
素直に言ってみると少しは緊張も収まった。
「取り敢えずさ、カフェテリアでコーヒーでも飲みながら話さない?」

カフェテリアで隣り合って座って二人でコーヒーを飲んだ。
「私、栃本君に一杯聞きたいことあるんたけど聞いていい?」
「別にいいよ。」
そこからお互いの生い立ちとか趣味の話とか家族の話になった。
はるか先生は担任だから最低限の俺の情報は知ってたけどそれでも改めて話すのを興味深く聞いてくれた。

俺もはるか先生の事を沢山知った。
大学在学中にとある会社経営者との間にせりなちゃんをもうけたこと。
でも彼は既婚者でせりなちゃんは認知はされたし、養育費も貰ってるし、奥さんも認めてくれているけど、はるか先生は彼等から遠く離れて寮があって学園内に保育所もあるこの学内の教師になることを選んだこと。
昔から勉強は好きだったこと。
この学園は元々全寮制ってこともあってかせりなちゃんは自分の母がシングルマザーってことにも父親がいないことにも全く違和感を感じていないみたいでそれはそれで良いのか悩むってこと。

俺もそれらの話を特に重いとも感じず、ただ、じっくり聞いていた。

真面目な話が中心だった。
けどまだまだ話したい、話し足りない、と思っているのにせりなちゃんのお迎えの時間が来た。

「次、いつ会える?」
もうすぐ夏休みも終わる。だから正直顔はほぼ毎日のように見れる。
けど、この距離で会いたいんだ。
まだ恋人と呼ぶには早いけど少なくとも俺にとってはるか先生は友達以上だ。
「またメールする。」

そこから毎晩のようにメールする仲になり新学期を迎えた…。
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