この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
私立S学園高等部
第3章 モテない優等生
夏休み初日から夏期講習が始まった。
私が受けたのは医学部志望生対象コース。
二十人で女子は私含めて三人だけ…。
そして二十人中十五人が親がドクター。
私みたいな田舎の貧乏な家庭の子とか有り得ないんだろうなぁ。
でも「やっぱり畠山さんいたのね。」とか周りに言われた。
最初は馴染めないなぁ、と思っていた。
まあ、でも取り敢えず勉強しに来たんだし、と真面目に勉強に取り組んだ。
夏期講習も一週目を終えた辺りから女子三人が打ち解けた。
そして八月に入ってから男子とも話せるようになった。
夏期講習組とは寮でも会うと喋るようになった。
女子三人ではお互いの部屋に行ったりもする。
そして自習室でもよく会った。
私はお盆で夏期講習も休みになり、大学の図書館もお休みになる前に本を借りようと図書館に来ていた。
お盆は実家に帰る。
勉強もするけど好きな本を読みたい。
そして図書館で本を選んでいたら夏期講習組の真中君に会った。
「おお、畠山さん。」
「あら、真中君。何読んでるの?」
「史記」
「漢文と歴史の勉強?えらーい!!」
「元々歴史の本好きなんだ。」
「あー国語と日本史得意だもんねぇ。」
「畠山さんに得意とか言われるの違和感。」
別にそんなつもりじゃないんだけどなぁ…。
ちょっと凹む。
「あ、ごめん、嫌みとかじゃなく。いや、だって畠山さんってスゲーじゃん。尊敬するし。俺も畠山さん位勉強しなきゃドクターとかなれねーんだろうな。」
私の方こそ真中君のこと尊敬するわ。ドクターになりたいって明確な意志があるから。
「で、畠山さんは何読んでるの?」
ギクッ!!
「あ、その作家さん直木賞獲った人だよね?」
はい、直木賞作家さんですよ。
でも私が今手に持ってる本はその作家さんの作品の中でも特に…。
エロい、らしい。
エロいって噂だから借りようと思ったんだよね。
うん。エロいラブストーリー好きなの。
こっそり読んでるんだけどね。
でもそんなのあんまり人に知られたくない。
「それ、面白いの?」
「うーん、女子向けかな?」
嘘じゃない。女性向けの官能小説らしい。
「へぇー。」
うん、真中君は読まなくていいからね。
私が受けたのは医学部志望生対象コース。
二十人で女子は私含めて三人だけ…。
そして二十人中十五人が親がドクター。
私みたいな田舎の貧乏な家庭の子とか有り得ないんだろうなぁ。
でも「やっぱり畠山さんいたのね。」とか周りに言われた。
最初は馴染めないなぁ、と思っていた。
まあ、でも取り敢えず勉強しに来たんだし、と真面目に勉強に取り組んだ。
夏期講習も一週目を終えた辺りから女子三人が打ち解けた。
そして八月に入ってから男子とも話せるようになった。
夏期講習組とは寮でも会うと喋るようになった。
女子三人ではお互いの部屋に行ったりもする。
そして自習室でもよく会った。
私はお盆で夏期講習も休みになり、大学の図書館もお休みになる前に本を借りようと図書館に来ていた。
お盆は実家に帰る。
勉強もするけど好きな本を読みたい。
そして図書館で本を選んでいたら夏期講習組の真中君に会った。
「おお、畠山さん。」
「あら、真中君。何読んでるの?」
「史記」
「漢文と歴史の勉強?えらーい!!」
「元々歴史の本好きなんだ。」
「あー国語と日本史得意だもんねぇ。」
「畠山さんに得意とか言われるの違和感。」
別にそんなつもりじゃないんだけどなぁ…。
ちょっと凹む。
「あ、ごめん、嫌みとかじゃなく。いや、だって畠山さんってスゲーじゃん。尊敬するし。俺も畠山さん位勉強しなきゃドクターとかなれねーんだろうな。」
私の方こそ真中君のこと尊敬するわ。ドクターになりたいって明確な意志があるから。
「で、畠山さんは何読んでるの?」
ギクッ!!
「あ、その作家さん直木賞獲った人だよね?」
はい、直木賞作家さんですよ。
でも私が今手に持ってる本はその作家さんの作品の中でも特に…。
エロい、らしい。
エロいって噂だから借りようと思ったんだよね。
うん。エロいラブストーリー好きなの。
こっそり読んでるんだけどね。
でもそんなのあんまり人に知られたくない。
「それ、面白いの?」
「うーん、女子向けかな?」
嘘じゃない。女性向けの官能小説らしい。
「へぇー。」
うん、真中君は読まなくていいからね。