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私立S学園高等部
第3章 モテない優等生
そこからせりなちゃんの『畠山喬子可愛い化作戦』が始まった。
メイクとか髪の毛を巻いたりとかは私らしく無いってことで編み込みとかのヘアアレンジやお肌のお手入れはしっかりするとかストレッチとか毎日して体を引き締めるとか努力することにした。
そしてそれはせりなちゃんも一緒に頑張っていた。

勉強もするけど早寝早起き。

私がせりなちゃんに勉強を教えて、せりなちゃんが私にヘアアレンジとかを教えてくれた。

何となく。
自分の気持ちが少し明るくなった気がした。
そしてクラスメートと男女共に話す機会が増えた気がした。
医学部志望コース三人娘の間でも『喬子ちゃん雰囲気変わった?』と言われるようになった。

けど。

真中君にだけは褒められることは無かった。
あのバカ。
女の子を褒められないような鈍感だからモテないんじゃないの?

それでも真中君とは仲は良かった。
一緒に勉強したり図書館で会ったりしていた。

二学期の期末試験が近付き『可愛い化作戦』はちょっと控えて勉強モード。
色気付いて成績落ちたとか言われるの嫌だし。

真中君は中間試験あんまり良くなかったみたいでかなり危機感を持っていた。
そしてかなり真面目に真剣に取り組んでいた。

期末試験が終われば年末モード。
冬休みが待っている。

そして期末試験が終わった。

期末試験も学年トップをキープ。
嬉しい部分やホッとした部分もある。けどぶっちゃけ、奨学生で居られる学年5位以内なら良いんだよな…。ずっと一位でいて周りからもそういう目で見られるのはあんまり好きじゃない。
医学部志望コース三人娘はそれぞれ満足のいく結果だった。
せりなちゃんもまあまあだったらしく
「冬休み英司さんと沢山デート出来るー!!喬子ちゃんのお陰!!有難う!!」
と言ってくれた。
デート出来る発言はまたノロケ?と思ったけど笑顔が可愛いので許すし、お礼に私の愛して止まないミルクレープの高いのを彼氏さんに頼んで買ってきてくれると言うのでせりなちゃん、勉強いくらでも教えてあげる、と思った。
うん。私はミルクレープには目が無いのだ。
高等部に上がって大学のカフェテラスに行けるようになって初めてミルクレープを食べて感動したのだ。
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