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鏡よ鏡
第1章 *****
―――舞踏会から7日経ったある日のこと。


隣国の使いの者が、
手紙を持ちやってきた。





姫は個室にて壁際に座り、艶めく髪をすいていた。

『隣国からの一報?』


直ぐ様立ち上がり、
螺旋階段を下階にかけ降りる。



『王子からね!
わたくしへの求婚ですわね?!』この一報を、心待ちにしていたのだ。


王室に座っていた王様が、『何とッ……………』
と躯を震わせていた。


(歓喜の震えね♪
王子………
これでわたくしも常に貴方様の元に居られますわ)


『父上!
わたくしにも読ませて下さいな』


姫は手紙を奪取し、
目を通す。。


白く美しい顔が、
紅を差したと思ったら徐々に蒼白に変わっていく。



『何てことだ………!
まさか、
東の国に取られるとは……………
兵を挙げよ!いざ戦いに赴くぞッ』


父上―――国王は勇んで駆けていく。

母上―――妃は何事かとおろおろしていた。





【一筆申し上げる。
姫さまとの婚姻の約束を無かったことにして頂きたく筆を取った。

懇意にし、
身を呈して尽くして下さった東の国の姫君を妃として迎える運びと相なった。

王ならびに王子〔サイン〕】


万年筆のインクが蒼く滲んでいた。





姫は屈辱に躯を震わせ、
騎士を呼びつけた。
『わたくしを、
隣国へ連れて行きなさいッ』
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